5歳児健診は、これまで一部の自治体で任意に実施されていましたが、2025年度から本格的に全国的に普及します。いままでは、3歳児健診の後は小学校入学の直前に行う「就学前健診」しか機会がありませんでした。
幼児期は言語の理解能力や社会性が高まり、発達障害が認知される時期であり、就学期を迎える前に5歳児の心身の成長発達を診査することで、必要な準備を始める契機になることを目的としています。保健、医療、福祉による対応がその後の成長・発達に影響を及ぼします。こどもの特性を早期に発見し、特性に合わせた適切な支援を行うとともに、生活習慣、その他育児に関する指導を行い、健康の保持及び増進を図ることで発達の問題が見つかれば、就学前に支援や指導ができ、お子さん自身や保護者や学校関係の周囲が困ることを減らせます。
5歳児健診で行う項目は1)身体発育状況 2)栄養状態 3)精神発達の状況 4)言語障害の有無 5)育児上問題となる事項の確認(生活習慣の自立、社会性の発達、しつけ、食事、事故等) 6)その他の疾病及び異常の有無です。
この時期の身体発育状況、栄養状態などに加えて、発達や育児の相談等を受けられるようになります。集団における立ち振る舞いを評価して、社会的な発達の状況をみて、発達障害等のスクリーニングにつながるだけでなく、遊びや人間関係の豊かさ、こどもと家族の地域社会とのつながりなど健康の社会的決定要因を把握して地域全体で、子どもと保護者をフォローアップする体制ができるようになります。
2025/1/17
日本女医会 小児救急・子育て支援委員会
新谷 朋子
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